そのはずだった。





僕らが不法侵入罪に放火という罪を重ねるのは脱出する直前だった。





だが、





「森は燃えている……」





空を赤く焦がしている。





僕らが通ったフェンスの辺りはもう炎の牙に喰らい尽くされただろう。





「ヒカル、火事だ」





リューネも気付いた。





その声はサイレンの多重奏と合わさり僕の心の琴線を強く弾いた。