管理棟はやはり無人になっていた。





屋外にある配電盤を予め盗み出しコピーしておいた鍵で開けブレーカーを全て落とす。





それから外にリューネを残し闇に犯された管理棟から僕は獣舎の鍵のスペアを一つも残さず持ち出す。





「行こう。リューネ」





彼女は不安な表情などしていなかった。





急いで出てきた僕を嘲笑うように微笑んで見ていた。





「行こう。ヒカル」





僕らは走る。





一番近いのはキリン舎だ。