「だけど見せてあげたいヒトがいるの。彼は本当の檻に閉じ込められてるから。それは仕方のないことだとわかっていても、なんとかしてあげたい」





カズネ、こんなことさえなければ僕達は上手く付き合っていけたんだろうか。





もし、君と出逢うよりも早くリューネに出逢っていたら、





君が動物園の隣にある大学の医学部に受からなければ、





僕が飼育員になっていなければ、





ここに動物園がなければ、





君が産まれてこなければ―――