「その前に凍死しちゃうよ」





顔は見えなかったがカズネは私といる時よりも安らかな笑顔をしているのだろう。





「君が、リューネさん?」





彼は顔に張り付いた変化のない仮面の笑顔を私にも向けた。





「はじめまして。ヒカルさん」





私達は気付いた。





「月極(ツキワ)リューネです」





「………はじめまして。加藤ヒカルです」





淡いオレンジの光の下で、闇夜に紛れていたお互いの顔を確認していた。





私は心に住む何が大きく飛び跳ねたのを感じた。