「私も熱を失えば、ただ捨てられるだけのゴミだから」





灰皿に落とした吸いがらを私はじっと見ていた。





「捨てられて粉々になって、誰にも拾われない」





いつか土に還っていく時、私は何の後悔もなく消えていけるだろうか。





不意にその時が訪れたら、私はそれを受け入れられるだろうか。





―――ムリだ。





今の私のままでは死ねない。





「先輩。こんな私でもね、今は生きていたいんだ。私が経験してきたことが、誰かの役に立つなら。誰かを救える力になるなら」