今の大江先輩の頭の中は少し混乱してしまっている。





ただ、私に心配をかけないように我慢しているんだ。





「ごめんね。先輩」





私はトモエさんの代わりにはなれない。





精神科医ではない私に彼を救う力なんてない。





できることは愛人契約者と同じように一瞬のバーチャルな慰めを与えるだけ。





でもそれすらアキタフミオには逆効果だった。





私にマキへの気持ちを転移させ過ぎてバーチャルとリアルの境界線を越えてしまった。