「………また泣いたのかい?」





いつも完璧なまでにリューネの瞳を飾るメイクがまた崩れていた。





「―――うん。また泣いた」





隠すこともなく素直に頷(ウナズ)くリューネがオレの手を握る。





「先輩、痛む?」





「………少しだけね」





オレはリューネの笑顔が戻るようにと微笑んだ。





「先輩の薬を持ってくるの忘れてしまったから、私の痛み止め飲む?」





「いらない。今は痛みを感じておきたいんだ」