なぜ?





どうして彼を視界に入れようともしないの?





それほどまでに拒絶しなければならないの?





「先輩の話を聞いてあげて下さい」





静かに目を伏せ頬に掛かる髪を揺らすように首を振る。





「聞く資格なんてないの。だから―――」





「トモエ」





優しさを放つ声に彼女は彼を視界に侵入させる。





「オレは君が好きだよ」