「今年ももうクリスマスか…」

粉雪の舞う寒空を見上げ、一人つぶやく。
白い息が浮かび、消える。

「一年ってほんと早いわ」
「何ヒトリゴト言っちゃってんの、ユカさん」
突然後ろから話し掛けられた。
驚いて振り向くと、そこにはテイクアウトのホットドリンクを持った男性の姿。

「声に出さないつもりだったんだけど…出てた?」
「うん、思いっきりね」

そう言いながら彼は笑顔でカップを差し出す。
ありがと、とこちらも笑顔で受け取り、一口すする。
猫舌だが、飲めない熱さではない。
私の大好きな、スタバのキャラメルスチーマー。
冷えた体によく染みる。

「何か考え事?」
「ん、ちょっとね。大したことじゃないけど」
「ふーん」

そう言いながら彼もカップの中の熱い液体をすする。
匂いからして、コーヒーだろうか。



ほんと、いつの間に一年が経ったのだろう。