私はケータイをとりだすと真っ先にお父さんの番号に電話をかけてみる。


『おかけになった電話番号は…』


「……………」


使えない。


「きおさんに迷惑をかけたくないのでしょう…気持ちはわかりますが、黙っててあげてください。」


「…はい……」


一気に、疲れがあふれ出るような気がした。


「話の続きですが、高校…どうされます?」


「…どこでもいいです。」


「そんなこと言わずに。お父さんもきおさんが高校へ行ったら喜びますよ」


「…じゃあおじいさんが選んでください」


「いいんですか?」


「はい」


おじいさんはしばらく頬杖をついて考えていた。


「きおさんは頭がいいですしね…」


「そんなこともないですけど…」


でも、学年では一番だった。
よくわかんないけどとても負けず嫌いな性格で、勉強でも運動でも何でも一番自分ができないと気が治まらなかったらしい。


そんな性格のせいか、自分でいうのもおかしいけど成績はよかった。