「…あれ、もう終点…?」


気がつけばもう目的地についていて…
私はバス乗り場へと移動する。


バスのなかはガラガラで、私とどこかのおばあさんが座ってるぐらいだった。


『出発します、お降りの際は横にあるボタンを押していただけると…』






バスにゆられながら見る、横にスクロールしていく町並み。





歩く人々はとても楽しそうに笑う。





「あ、次おります…」


「降りるときは横のボタンですよ」


「すみません…」



手に持っていたバックから財布をとりだし、100円を払う。


あわてて降りると、バス停には一台の車が止まっていた。




「…………」


近づいてみる。中には一人のおじいさんがいて、私を見るなり、いきおいよくドアをあけてでてきた。


「百瀬…きお?」


「はい…」


「きおさん!?」


「はい…もしかして、おじいさん?」