「じゃあ、ここなんてどうですか?受験のしがいがありますよ」


さしだされたパンフレットを見る。


「…これ、なんて読むんですか?」


「それで、ひなすみって読むらしいです」






―雛澄学園





パンフレットには、そう印刷されていた。


この際、高校なんて選んでる場合じゃない。おじいさんがここっていうならここでいいかな。



「おじいさん、私ここ受験します」


「もう決まったんですか!?」




私はそのままパンフレットを机に置きっぱなしにして、これから過ごすこととなる自分の部屋を片付けに行った。