「ずっと前から・・・友浩が・・好きで・」

久は顔を赤くして
俺の目をまっすぐ見て話す。

「初めて見たとき、テニスしてる姿カッコよくて・・」

こんな純粋な子、やっぱいねーわ。
俺の中で何か確信的なモノが見えて
俺はそっと久を抱きしめた。

すると久は傘をぱっと落として
また驚いて「・・ぇ?」と小さく声を出す。

「俺だってずっと好きだったし」

「うそ、でしょ?」

「ホントだって」

「友浩・・・」

ギュッと抱きしめる力を強めた。
それからぱっと離して
俺は傘を拾い上げて久に傘を差す。

「ここで話してると風邪ひくって」

へらっと笑うと動揺したように
「そ、そうだね」と久が笑う。

「どっか入る?」

近くに喫茶店か、ファミレスがあったはず。

久の様子を見ると
どこか嬉しそうだった。