「何してんの?こんなところで」

俺が声をかけると
彼女は恥ずかしそうに

「あの・・・傘、入りますか?」

質問に答える前に、俺のことを
気遣ってくれた。

「あ、悪ぃ」

傘に入れてもらうと、彼女は
スタスタと歩きだす。
意外と小さい身長と長い髪に俺は
少し驚いたが、女の子らしい仕草を見ると
やっぱり女子高だなぁ・・と思う。

「俺、相葉 友浩」

「私は西園寺 久、です」

久ちゃんっていうのかぁ・・・
彼女は小さく笑って

「相葉さん、ずっと百面相してますよ?」

なんて言い出すから
俺はちょっと焦ったがここは冷静に、と
自分に言い聞かせ

「マジ?」

「顔には出ないタイプのはずなんだけど。」と
おどけて見せる。