「あのね、えっと・・・そのー・・」

俺は、伽耶の目をみて
じっと伽耶の言葉を待つ。

「好き、です」

「・・・え?」

俺は驚いたフリをしてみた。
分かってた、伽耶の気持ちなんて
ずっと、知らないふりをしてた。

「別に、付き合って欲しいとかじゃなくて・・」

分かってる。
そんなこと、無理に決まってる。

「ただ、気持ちを知ってて欲しくって・・」

「ありがとう。気持ちだけもらう」

伽耶は無理して笑ってる。
俺は罪悪感で溢れた心を抑えて
言葉を返した。

「・・・うん」

伽耶の寂しそうな顔を見ていて
これは、そっとしといてくれってことだろうなと
俺は感じ取ったから

「鍵、最後に閉めといてくれる?」

「うん。・・ごめんね?」

伽耶を1人にすることにした。