「亮さんは何で撮影してたんですか?」

私が一番気になってるのはこれ。


「……マネージャーさんに言われて見に来たら…LIRが寝ながら泣いてたから…

撮った。」

そう言って、亮さんは私の頬に手を伸ばして…


自分でも気づかなかった頬をつたる『それ』を拭った。


「え…」


「何で泣いた?」


「……わかりません。」


「そっか…。まぁ人間生きてりゃ訳もなく泣きたくなるんだもんな。」

亮さんはくるっと後ろを向いて、空にカメラを向けた。


「LIR、着替えてこい。仕事するぞ。」


「は…はい!!」

車から出て、スタッフさん、マネージャーさんに謝りながらメイクさんの元に行く。