「……度胸いい人形じゃねぇか」

すると音を立てて、ユラの手に繋がっていた鎖が落ちた。


スッと身を放して背を向ける。

「来い、あいつと会わせてやる。条件付きでだがな」

そう言って歩いていくヒノトの背中を、急いで立ち上がってついていった。







冷たくて痛い台の上、ヤナは頭の痛みで顔を歪めて目を開けた。

(いったぁ〜……)

まだ周囲がはっきりとしない視界の中で頭をおさえようとしたが、身体の違和感に気付いた。


腕が思ったように上がらないどころか、起き上がることも指先1本動かすこともできない。

「………っっ」

「…起きた?」

不自由な身体で隣を見ると、あの男が台に寄りかかって立っていた。


記憶がなくなる直前はミグレの頭上から見ていたが、次は下からとなると自分のこの人生を呪いそうにもなる。

(なぜこんなに振り回される?)

「…そんな嫌な顔するなよ。俺だって敵の武器を作っていた君を直視したくない」