冷や汗が嫌に背中をなぞり、男はニヤッと口元を緩めた。

「少し眠ってればいいから」

「ちょっ……っ!!」

反論する前に蛇の力が緩んだ。


そして声を上げる前に落下が始まり、その後の記憶はない。



倒れたヤナに、男は冷たい目線を下ろしていた。







冷たい廊下から、寒さが増す階段に足を運んだ。

冷たい音が心地よく遠ざかっていく。



螺旋状の石造りの階段を下りていくと、1つの大きな扉の前につく。

ヒノトはそっと手をついて、強く押した。


突然開いた扉に3人の目が集中した。

「お疲れ様、2人共」

「「次やったら許さないからね」」

そう言ってハノンとハイマは走って階段を上って行った。



壁に鎖で繋がれたユラは再び俯いた。

それを一方も目を離さずに見下ろしていた。


足音が消えたのを確かめると、ヒノトは静かに口を開いた。