「…静かになった…?」

抱えていた頭を上げて様子を伺った。



辺りにはやはり、同じ作業員の倒れる姿がある。

だが肝心な魔術師の姿がなかった。


「………あれ…?」


余計に身を乗り出した時だった。



ドサッ

「ひっっ!!!」



目の前に落ちたものを見ると、周りに転がっている作業員と同じ服を着ている。

それに目を奪われていると、上から声が聞こえた。

「見つけた、誘拐犯」

そこには灰色のコートに青く短い髪の男がいた。

隠れていた大きな缶に腕を置いて寄りかかっている。

「ゆうかい………!?」

聞き返す前に男の背後から透明な蛇が出てきた。


それが水の塊と身体を張って分かるのには時間はかからなかった。



その蛇はヤナの身体に物凄い速さで巻き付いていく。