相変わらず今日もこき使われている。


たまに悪戯で足を引っ掛けられることもあった。
(………でももうすぐ、ここを出るし。取り合えず貰えるだけお金を貰ってしのぐしかない)

長年暮らしてきた街ももう終わり。

これをいい機に、新しい生活を送ろう。



そう思ってた矢先だった。



突然大きな爆発音が響き、工場が揺れた。

叫び声と悲鳴が飛び交う。


(せっ…戦争が起きた…!!)


ヤナは咄嗟に走り出して、工場の片隅に縮こまった。

「僕は何も悪いことしてないっ…!」

工場の壊れた隙間から魔術師が入り込んできた。


作りたての武器で皆、応戦するがすぐに多くの作業員が倒れていく。



どれほど経った頃だろうか。

耳を塞いでその場をしのいでいたヤナはあることに気付いた。