また少女は同じことを思っていた。


また"生き返る"のかと…。



既にとある建物の中に入り、薄暗い廊下を男は歩いている。

「ユラ、仕方がないことなんだよ」

無意識に流れた涙を、ヒノトは抱きながら拭いた。

しかし返事どころか、反応もしない冷たい身体。

それに慣れているように廊下の角にあった部屋に入った。

「ミグレ、ハノン・ハイマ」

3人の名前を呼ぶと、部屋の片隅にいた影が動いた。

「お疲れ、ヒノト。戦況はどうだった?」

同じ顔をした双子が影から出てきた。

頬の蔓が這ったような痣が左右逆の方にそれぞれついている。


言葉は左の頬についている少年の方だった。

「ああ、ハノン。少しずつだが、ちゃんと押してる。ユラがほとんど片付けたからね」

「ユラ姉すごいね。生き返らせがいがあるよ」

次は右の頬に痣がある少年が言った。

まだ20歳を越えてはいない年頃だ。