それに少し肩をすくめて呆れる。

(一体何者だコイツ…)

勝手に部屋に上がって散らかして、買ってきたお弁当をパクついている。


どうしてこうなっているのか状況が把握していなかった。

取り合えず自分の意志を伝える。

「取り合えず、僕、もうすぐで姿くらますから」

それを言うとユラはバッと顔を上げた。

目を大きく見開き、その目にヤナをとらえる。

「…くらますって……どこか行っちゃうの?」

「そう言ってるじゃん。もうすぐここも戦争になるよ。僕は戦争をよく見てる。住むのはいいけど、ユラも早くここから…「私も連れてって!ヤナ!!」」

ユラの突然の声にヤナは目を丸くした。

聞き返そうとしたが、ユラの必死な表情を見て把握した。

可哀想だけど連れてはいけない。

自分の経済力や能力的にユラを守るどころか自分自身を守ることも危うい。

そんな状況で他人を守るだの無理な話だ。

「ご飯とかはなんとかする…だから、せめて一緒について行かせて。ここにおいていかないで…私、やっと………」