真綾の言うとおり 黒髪のよく似合う女で 気が強くて 優しい奴。 一緒に過ごして楽しい奴。 「お姉ちゃんは」 いきなり、華南が話し出した。 「お姉ちゃんはさ、一年前から目立たないようにしてたんだ。逃げるように、それこそ、怯えて。」 有美は 真綾のことを華南に話して 消えたらしい。 でも、と華南は続ける。 「“奏姫”って、強姦する奴を倒す女の噂を聞いて、思った。」 ――お姉ちゃんだ、って。 華南はそれを言って俯いた。