キーン…コーン━━
お馴染みのチャイムが、ホームルームの終わりを告げる。
「それじゃあ、寄り道して帰るなよ」
そう言って、新しい俺の担任は、さっさと何処かに消えてった。
「よーしゃあ!帰んぞ、直也」
俺の、中学からの親友、田口大輝は、もう帰る気満々だった。
「おぅ」
「なー、このクラスに転校生がいるって知ってたか?」
「…?いや?」
俺はあんまりそういうのには興味ない。
アイツはアイツと付き合ってるだの別れただの、他人の人生に興味はない。
転校生なんて、特に興味ない。
だって全然知らないやつのことだろ?
「実はさ!女らしいんだよー♪」
「へぇー…」
だから、興味ないって。
「なんだよ!女だぜ女!」
「興味ないの」
昔の俺も、女には興味なかった。
「なんだよ!お前、男か!?興味ないとか、ありえねーよ」
「はいはい…」
俺は大輝に呆れ、鞄を持って教室のドアへと向かう。
そんなにおかしいか?
何だっていいだろ…
でも、女に興味のなかった前世の俺にだって、最愛の人がいた。
多分、今も昔も俺が興味あるのは、あの人だけ━━
会いたい。
会いたい。
もう一度、彼女の声を、体温を感じたい。
でも、それは叶わないことで…
それでも、俺は今でも君を探してる。
居るハズのない人間を…
ばかだろ?
今でも君を愛してる…