雪は、しんしんと深さをまして行く。

俺の中に積もったモノは、溢れ出すように溶けていった。


「雪じゃ」
「ゆき?」
「あぁ、雪姫と呼べ。あと、そなたは今日から『虎』な」
「はぃ?」
「強そうだろ?よろしくな、とーら」


この日から、俺たちの物語が始まって行く――――――・・・


雪はただ、しんしんと、深く、深く、いつまでも、いつまでも・・・

果てのあることの知らない、空はただ、雲に覆われ尽くす・・・