「・・・どうせ」

どうせ、すぐに捨てられる。


「すぐに見捨てるんだろ」

どうせ、すぐ飽きる。

「いらなくなったら、追い出すんだろ」

信じない。

人を。

世界を。

誰も、皆、信じない・・・


「見捨てぬ」


雪がさっきよりも、深く、深く・・・

「見捨てぬ。絶対に、何があっても。我は裏切らぬ、お前が信じてくれるなら」


シンジル・・・?

女は、俺を信じてくれてる?
必要としてくれてる?
愛してくれる?


「必要・・・か?」
「あぁ」
「俺は、この世界にいてもいい?」
「良い、少なくとも我はそう思っておるぞ。そもそも、いらない人間なんていない。誰かは誰かに必要とされる。今の我とお前じゃ」

そう、力強く言い張り、顔には似合わない無邪気な顔で笑った。


あぁ、この女は本気だ。
本気で俺を必要としてくれてる。
親から向けられた、冷たい目じゃない、言葉じゃない。

雪より白い肌なのに、眼差しや声は、誰よりも暖かい。


俺は、生きてていいんだ・・・
俺は、必要とされてるんだ・・・


「さぁ行くぞ、我が城へ!・・・ふ・・・。泣き虫はいじめられるぞ?」

「・・・っさい」


俺は、生きていくんだ・・・