あれから毎日、あの女はやってくる。


「今日も付添い、いないの?」「うん、また抜け出してきてやったぞ」

俺もさすがに、毎日おにぎり持って、城を抜け出してきてくれるこの女に、心を開くようになった。


「大丈夫?」
「大丈夫だろ」
「怒られたりしない?」
「する。でも、お前に会いたいし」

変わってる。
この女は、よっぽどの暇人だ。
俺に何の用があってか知らないけど、来てはしばらく話してから帰るの繰り返し。
よくも、まー飽きないことだ。

俺に、会いたい?
俺と一緒にいて、楽しいのか?

俺は、正直、楽しい。

女が毎日来てくれるおかげで、毎日が楽しい。

早く死にたいと思っていたが、今は明日も生きたいと思う。

まぁ、楽しいなんてコイツには死んでも言わない、しゃくだからな。