何だったんだ。
まるで、幻のように現れ、消えていった。
何で、俺に構うんだ?
何で、俺に生きろと望むんだ?
俺は、いらないんだろ?
いらないから、この世にはいらない存在だから、捨てられたんじゃないのかよ!
生きてていいのか・・・俺は?
必要なのか・・・この世界に?
雪は止むことなく、どんどん俺の頭へと積もって行く。
あれ?なんか、寒くなってきた。
布・・・あったけぇ・・・
「・・・」
布の温かさに、俺は少し生きたいと思った。
布の中に忍ばされていた、おにぎりに、雪と雫がじわじわと、深く、深く、染み込んでいった・・・