「なんだ、その目は」


俺は思いっきり、その女を睨みつけてやった。

ただ、馬鹿にされているようで腹が立ったからだ。


雪はどんどん俺の上に積もって行く。


「こんな、誰の目にもつかぬ道の隅っこで、寒くないのか?寂しくないのか?」


殴ってやろうかと、一瞬心の中がざわついた。


この女は、俺のことを何も知らないのに、寒いだの、寂しいだの。

そんな感覚、今はない。
寒さなんて、馴れてしまって感じない。
寂しいなんて感情、忘れてしまった。

そんな俺に、関係ないのにごちゃごちゃと・・・