気がつくと、雪乃はボーと突っ立って、一点を見つめていた。

目の先を見ると、オシャレなアイスクリーム屋があった。

もしかして…


「食べたいの?」
「えっ!いや…」
「入ろっか」
「い、いいよ!」
「いーじゃん」


俺は雪乃の手を引っ張って店の中へと入った。

だってさ、ちょっとでも一緒にいたいし。



「いらっしゃいませー♪」


うざいテンションの定員と、可愛らしい曲が俺達を出迎える。

いかにも男子が似合わなそうな、そんな感じの店。


「何食べる?」
「えと…じゃあ、いちご…」

…可愛い。

「いちご、二つ」
「かしこまりましたー」


ニコニコと笑い、定員が俺達の席を離れていった。


俺と雪乃は向かいあわせにに座っている。


それなのに、雪乃は俺と一度も目を合わせようとしない。


なんだよ…


やっぱ俺、何かした?


もしかして、ひめって呼ばれんのが嫌なのかな?

でも、そんなんで怒るか?普通?