新しい学校にはもう慣れた。
滝嶋直也が私を呼び止めたときはビックリしたけど、ピアスを探してくれた日から彼とは仲良くなれた。
私を呼び止めた時の彼は、なんだか愛しそうな目をしていた。
あんまり、そんな目で見るから、私は動けないでいた。
きっと、彼の大切な人に似ていたからに呼び止めてしまったに違いない。
あまりにも、愛しそうで、切なそうな顔をしていたから…
私はその時、そう悟ってしまったんだ。
今では、『雪乃』って呼んでくれている。
私も『直也』と呼ぶようになった。
こんなにも仲良くなれた友達は初めてだった。
私はあまり友達はいなかったから…
親のせいで転校続き。
ろくに友達なんて出来ずにいた。
作ろうともしなかった。
でも、前の学校で初めて友達という存在でわなく、彼氏という存在ができた。
田中優。
優は前のクラスメートで私も気にはなっていた。
一人でいる私に時々話しかけてくれたりして。
今思うと、直也とよくにているなとも思う。
優から告白してきて、私達は付き合った。
それから優は友達と言う肩書きを抜かして、私の彼氏となった。
告白されたときは何となく付き合っただけだったけど、今ではちゃんと私も優の事が好きだ。
だから遠恋になってしまうのが嫌だった。
そんなときにもらったのが、直也が見つけてくれた星のピアス。
あの時は本当に直也に感謝した。