『お母さん、これ買って!』

アタシはいつも読んでいるファッション誌をお母さんに渡した。

『じゃあ買ってくるけど、いいのね?』

『うん!いいよ!』

お母さんがレジを済ましている間、

マンガのコーナーに行った。

かわいい絵は好きだから。

『昴(すばる)、そろそろ行くわよ~』

『はぁーい』

その時だったんだ。

君の存在を知ってしまったのは。

“ボーイズラブコミックス”

コーナーの一角にそのように書いてある。

私はその文字の意味が全く分からなくて、少し考え込んでしまった。

男の人が読む、恋愛マンガ?

一体、少女マンガとどう違うの?

本気で、ボーイズラブって何だろう…

結局、私の中で出した結論は、

“男の人目線の男の人目線の恋愛マンガ”

だった。

女の人は手を出してはいけないんだと思って、

私はその場を離れた。

そしたら、丁度お母さんが迎えに来てくれたから、

そのまま何も無いかのように家に帰った。



それから数ヶ月間、私はボーイズラブには縁が無いまま6年生になった。

クラスの女子たちは、好きな男の人の芸能人が居るらしいけど、

私はあんまり興味ないなぁ…

むしろ、モデルさんとかお母さんが読むようなマンガに興味があるな。


そんな私は最近、【腐向け】って書いてある動画を見るのが好きなんだ。

すっごいおもしろいよ!!!

意味は、多分、【オタク向け】かな???

本当のところはよく分かんないけど…



“『アレ』を卒業するまであと、半年”