「ねえ、け…い?」


「やべえ、萌――おまえが悪いっ」


「はっ?」


「少しだけなんて我慢できるわけ無いだろ!!」



その瞬間、私の体は宙に浮いた。



「やだ、おろしてよ!!どこいくのっ」



慶は私を抱き上げたまま、階段を昇っていく。