「いつも見てるよ。」
「・・・」
「変な意味じゃなくて、真剣に。
 いつも心配してる。明日香に変な虫がつかないか。」
「それは私だって思ってる。
 一緒にいるはずなのに、いつも小説のことを考えてそうで・・・」

ちょっぴり悲しく思う。

「俺の小説に出てくる女の人のモデルにしてるの、全部同じ人なんだけど。」
「・・・?」
「モデル、全部....明日香なんだけど。」

初めて聞いたことだった。

「つか、明日香しかいないだろ。こんなに好きになったの明日香しかいないのに。」
ちょっとすねた声で言う。

頭の隅で友達との会話を思い出してた。