昼休み、授業が終わって瑠璃ちゃんの友達と一緒にお昼を食べようとしていたらクラスの女子がざわめいた。
「‥何事?」
私は気にはなったものの、普通に椅子に座っているとまだ名前も知らないクラスの子が私を呼んだ。
「神田さんっ、あなたあの二人の家族なの?!」
「‥へ?」
「美姫ー、僕お腹空いた‥一緒にご飯食べよう?」
「え、ちょ‥待って!」
気がついた時には嬉しそうに笑う陸君が、私の腕を掴んでいた。
びっくりして動揺していると、クラスからは悲鳴のような声が上がった。
「‥陸、お前抜け駆けすんなよ‥おら、行くぞ」
「いや、だから‥いきなり来られても困ります‥二人とも離してください」
「「いやだ」」
きっぱりと断られた私はうなだれながら諦めると、持ってきていたお弁当を掴み二人に引きずられるようにして教室を出た。
――――‥
―――――‥
屋上に連れて来られ乱暴に座らされると、私はお弁当を握りながら二人を見上げる。
「‥あ、の」
「ごめんね、美姫‥僕‥どーしても一緒にご飯食べたくて‥今度からこうやって一緒に食べない?」
意外な言葉だった、いつも私を邪険に扱うあの二人が私と一緒に食べたいと言った事が。
「‥てゆーのは上辺だけで、本当は美姫が神田家の人間だ!って知らせる為にしたんだよね」
「別に一緒に食べなくて良い、お前も神田家の人間として恥じない様にしろ‥分かったな?」
「な‥‥」
「聞こえない、なんだ」
「何なの?!もううんざりっ、あんた達みたいな家族要らないよ!偉そうにいつもいつもっ!私は人間なんだから、傷つくに決まってんじゃん‥!」
「‥美、姫」
「最低、あんた達なんて‥あんた達なんて大嫌い!!」
捨て台詞を吐いて屋上から逃げると、私は階段を下りていった。
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