「え?結婚?!」
「そうっ、康弘さんがね‥結婚してくださいって言って下さったのよー」
いつにも増してメルヘンな母は、私の顔を見ると心底嬉しそうにもう一度微笑んだ。
母が嬉しそうに笑うから、私もつられてふふっと笑う。
「今週の日曜日、お互いの家族を紹介しようってなってるのよ」
「えー、その日友達と遊ぼうとしてたのにぃ」
「諦めて?」
「‥仕方ないけど、今の言い方むかつくなぁ」
ルンルンと鼻歌を歌いはじめた母に、良かったねと言うと私は部屋へと戻った。
今週の日曜日か、と呟くと私はすぐに眠りについた。
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そして日曜日、制服で良いかと着替えていたら母にやめなさい!と怒られ仕方なくシックな黒のワンピースに着替えた。
にしても、母はどっからこのワンピース出したんだろう?
「ほら!間に合わなくなるわよっもう!」
「大丈夫だってー」
「ダメよっ!」
急ぎ足でタクシーに乗ると、私達は待ち合わせ場所へと向かった。
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