「寧々~、お茶ちょうだい」



ソファから空が叫ぶ声がする




この光景を


何度見ただろうか。





なんとも思わなかった小さなことに

気づくことが出来るようになったのは


あなたを好きだと知ったから。





冷蔵庫をあけて麦茶を手にする


洗い立てのコップについでいると


ふわっと温かいものに包まれた





「きゃっ」




後ろからあたしを抱きしめる空が

いつものように笑っている


「いい加減慣れれば?」






「もぉ・・・びっくりするんだよ。」


あたしはちょっとふてくされながらも

ぎゅっと縛られた身体に安心する