うるさいお店を出ると

冷たい空気と
静かな空間。



「あー、うるさかったぁ」

あたしは思わず声にしてしまった



フッとシンジくんが笑った

彼の笑顔は優しい。



なんだか笑ってくれるとほっとするのは
無駄にみせないから？



エレベーターにのって
上の階にいくと物静かなバーになっていた




「ここはじめて」
あたしはそっと呟いた



「俺たまに来るんだ。」



「一人で？」



「うん。」

一人で静かなバーに来る男。


「おかしい？」


「ううん、全然。」

なんだかその気持ちわかる気がした。



カウンターに座り
シンジくんは慣れた感じでお酒を注文する



２回目の乾杯をしていろんな話をした



仕事のこと、

今はお互いフリーだってこと

休日のこと。



楽しくてついついお酒が進んでしまう。



おいしいお酒って
ペースが早くなるんだよね



「ねぇ、シンジくんてなんで彼女いないの？」

酔った勢いで聞いてみる



「なんで？って？」



「だって、かっこいいし優しいし真面目そうだし・・・
絶対女の子ウケいいよね。」



「あはは。
そういって貰えるとなんだか照れるけど・・・

２年くらい前に大失恋してね、それから誰とも付き合ってない。」