=雛莉ver=


ドンッ!!

「いたたたた…。あ!すみません。大丈夫です…か…?」


私前見ずに歩いてたから
人にぶつかって…

って!

隣のクラスの桐崎洸汰…?

「いってえよ!つか、てめえ…嘉川雛莉か?」

なんで私の名前知ってるの…?
え、え、え?

「え?あ、はい…そうですけど?」

「やっぱりなあー」

彼は口の端をクッと持ち上げて笑う。
怖い…。

「あ、ぢゃ!私帰りますっ!」

帰りたい、帰りたい、帰りたい。

「あ?ちょ!待てよ。送ってく」

「いいです!一人で帰れますから!」

「へえ。そんな事言っていいのか?んー?素直に言えよ、馬ー鹿」

またそうやって口の端を持ち上げて笑う桐崎洸汰。
やっぱり怖い…

「…んぢゃ。お願いします…」

ここは素直に…しとけば…
身の安全のためだよね!

「よーし。んぢゃ行くぞ!」

「…うん」

… … …。

なんか気まずい…。
話題を―…

「あ、あのね!なんで私の名前知ってるの?」

さっきから思ってことを聞いてみた。

「内緒!家につけば分かるんじゃね?」

はい?なんで家についたら
分かるの?

「え、?意味不なんですけど…」