朝から起こされた。


家の前のガス管を工事す
るから、五月蝿いけどご
めんねって、ガードマン
が言いに来た。


布団に腹這いになって、
煙草に火をつける。


起こされたのが良かった
のか悪かったのか、あた
しは完全に覚醒した。


恐らく地面を掘り返して
いるであろう音と、男の
声…


この家に住み出してから
こんな朝はしばしばある
のだ。


通りに面した、平屋の借
家。


ここに家族みんなで越し
てきてから、五回目の春
を示す、『四月』の文字
が目に入った。