俺が春子に見とれていると、水が運ばれてきた。
春子は窓の外を見てぼんやりしていたが、水に気付くと一口ごくっと飲んでから、こちらをじっと見つめ返してきた。
「何?そんなに見つめて。」
ニカッと見せた白い歯は、余計に春子を美しく見せた。
「いやっ何も…。」
あせる俺に、春子はふっと笑った。
「京ちゃん。今日はほんとにありがとね。私が夜に仕事あるから、昼に休みなんてとってもらっちゃって...。」
「気にすんな。俺が久々に春子に会いたかったから。」
春子は少し顔を赤らめた。
「京ちゃん、サラッとそういう事言わないでよ。」
俺は水を飲みながら微笑んだ。