「それ食え」

そう言って冬夜は立ち上がった。

「冬夜?もう要らないの?」

「ごちそうさま」

冬夜は一瞬あたしを見て二階に上がってしまった。


「いいのかしら?
冬夜お鍋好きなのに食べてなかったけど…」

え?
お母さんの言った事が不思議だ。


「夏樹、イジメすぎだ」

秋斗さんに言われて夏樹さんはシュンとしてあたしの方を見た。

「美羽ちゃんごめんね。
冬夜が美羽ちゃんばっか見てたからさぁ…」

私を見てた?
ちょっと自惚れていいのかな?

「あの、あたし行ってきます」

あたしは席を立って冬夜の部屋に向かった。