廊下が騒がしくなる。

これは原田秋斗が近づいてくる証拠。


ガラッ

ほら、やっぱり来た。

ギャーギャー言われるのは好きじゃないらしく、朝は眉間の皺がヤバい。


原田秋斗は周りの女子を見もせずにドカッと自分の席に着く。


「弥生ぃ~、今日も秋斗君格好いいよね~」

いつの間にか帰ってきた友達が目をキラキラさせて言う。


「でも美紀彼氏いんじゃん」

「違うよ、彼氏はコウ君だけだけど秋斗君はなんていうか、心のオアシスだよ」


美紀みたいな人がほとんど。
本気で好きになる人は少ない。
叶う訳ないから…