「俺だって弥生ちゃんと話したいのになぁ」

夏樹くんは無意識にあたしの心を傷つける。

「…弥生さんて美人だよね」

「美人すぎて秋斗にはもったいねぇよ。
俺の方が似合ってるよな?」

冗談で言ってるのは分かってる。

けど、気持ちばっかり焦ってしまう。


「愛?どした?」

こうやって心配してくれるなら、あたしだけを見てくれるなら…って何度も思った。


「何でも無いよ。
早く宿題うつしなよ」

「そっか、ならいいんだ」

そう言って夏樹くんはまた宿題に目を移した。