弥生を連れてやってきたのは誰もいない空き教室。

中に入ってドアを閉めると時計の音だけが聞こえるぐらい静かになった。


弥生は教卓の裏に立ってる。


弥生に近付いてそっと抱き締めた。


「えっ…秋斗?」

少し鼻声の弥生の声が腕の中から聞こえる。


「弥生……俺はお前が好きだ」

弥生は一瞬ビクッと揺れた。


「あ、秋斗?」

顔を上げた弥生の顔は驚きに満ちている。

「いつからかそんなの分かんねえけど、お前が好きなんだよ。……愛おしいんだ」