達也の顔色が全く変わっていないと見て、圭介はそんな事を言った。

実際は、達也は彼女の事がかなり気になっていた。しかしそれを圭介に悟られないよう、努めて顔に出さなかっただけだ。


「俺のタイプ? なんだ、それは?」

「え? 達也君は明るくて元気な女子が好きなんでしょ? 過去に付き合った子とか、取り巻きの子はみんなそういうタイプだからさ……」

「それは俺が選んでるわけじゃない。そういう女が寄って来てるだけだ」


達也はその容姿の良さで、女子から相当にモテていた。おそらく学校で一番だろう。

しかし達也自身はあまり女子に興味はなく、たまに彼女を作ったりはするが、暇つぶし程度にしか考えていなかった。

従って達也に好みのタイプ、などというものはなかった。