図書室を後にした達也は、思い付く限りの人目に付きにくい場所を探し回った。

達也の想像では……

瑞希は昼食を食べている最中に、何者かに呼び出しを受けたのではないか。

それで瑞希は急遽弁当に蓋をし、箸を置いて席を立った。

呼び出しの目的は……イジメ。
であれば、なるべく人目に付かない場所に瑞希は連れて行かれたはずだ。

（クソッ。酷い事になってなければいいが……）



その頃瑞希は、体育館の裏で意識を失っていた。


教室で弁当を食べていたら、名前は知らないが、同じクラスの女子から声を掛けられた。

「中山さん」

「は、はい」

「中山さんに用があるって人が、廊下に来てるわよ」

「え？」

そう言われても、学校でも孤独な瑞希に思い当たる人物などいるはずもなく、ただ唖然としていた。