そう言って圭介は、達也の目をジーッと見た。まるで達也の心を探るかのように。

「な、何だよ? 早く言えよ」

「うん。中山さんに対する達也君の態度が、今までと違うからだよ」

「はあ?」

「俺、達也君の事を前から気になっててさ…あ、変な意味じゃないよ。ずっと見てたけど、女子に優しい達也君って、初めて見たもん。中山さんを保健室に連れて行ったり、鞄を持ってあげたりさ…」

「いや、あれは俺が廊下でぶつかったからで…」

「まあ、そうなんだけどさ。でも、その後も達也君から彼女に話し掛けてるし、帰りだってそうでしょ?」

「まあな…。こっちから行かないと、あっちからは来ないからな」

「そう、そこなんだよね。女子にそういう考え方って、今までで初めてでしょ?」

「あ、そうかもな。しかしさ、結局どういう事なんだよ。話がよく分からないんだけど?」