「“どういうつもり”って言われてもな……」

（相変わらず煮え切らない男ね）

やはり口ごもる達也に、祐子は心の中で舌打ちをした。


「好きなの？ 中山さんのこと…」

「あ、いや、それはない、と思う」

「はっきりしないわね…。イエスかノーか、どっちなの？」

「イエス、ではないと思う」

「じゃあ、ノーなのね？」

「そうなるかな」

と言ったものの、何か後ろめたさみたいなものを達也は感じた。

「じゃあ、あの子を構うのは止めなさい」


祐子の勢いに押され気味の達也だったが、この言葉にはムッとした。

「何でおまえにそんな事、言われなきゃいけないんだよ？」

達也に怖い顔で睨まれたが、その反応は祐子の想定通りであり、怯む事なく祐子は話を続けた。

「中山さんがピンチだからよ」