達也は苦笑いを浮かべていた。

今のような女子からの言われ方はこれが初めてではない。というか、何度も言われて来た。元カノ達から。

達也は何人もの女子と付き合ってきたが、終わり方はたいていが女子が離れて行くか、自然消滅だった。

そして、祐子のようなタイプの女子は、離れて行く時、決まって達也にこんな言い方をする。

“あなたって、意外と退屈な人なのね”と。


祐子とは一ヶ月近く付き合ったが、結局は手も握らなかった。もちろんキスもなし。

祐子のような恋愛経験の少ない、いわゆる真面目な女子には、達也は決して自分から手を出す事はしなかった。

だからといって、達也が草食系男子かと言うと、それは少し違うかもしれない。